男の離婚は裁判や調停を経ても良い結果にはつながらない
離婚問題に直面した時、最初に考えることといったら、
今のご時世ではまずネットで検索することかね。
そのあと、そこで得た知識をより確実なものにするために、
弁護士に相談、依頼といった所だろう。
一般的な流れとして、それはそれでよろしい。
しかし、この問題は実際に自分で経験して初めてわかる固有の問題があって、
それは一般的な知識や相談では対応できないという実態がある。
既にご自身のケースでいろいろと動いてきた方は薄々気付いているかと思うが、
離婚界隈での法的手続きの流れというのは、既にレール整備がされてしまっている状態だ。
これはどういうことかというと、一般的な離婚案件は争う争わないに関係なく、
妥当な結論が用意されていて、その結論に至るプロセスにしかならないということだ。
この流れは弁護士をつけたところで変わらない。
基本的に弁護士は定められた手続きの範囲内で手段を考えるからね。
手続による結論が既にあらかた決まっている世界では、
いかに立ち回ろうとも、それ以上の結論にたどり着くのは難しい。
ウチは他所での取り扱いをさんざ聞いてきているから、
これは実際問題として起こっている話だ。
融通が利かない、正にその一言に尽きる。
イメージ的には自分の希望を勝ち取るために戦ってくれるような感じだろうが、
受任した後は流れ作業にのって話を進めていくだけの状態になっている。
他人の決めた「妥当な結論」に向かって、ね。
これでは依頼する意味がないだろう。
だから、離婚問題を自分の考えに沿って進めていきたいと考えるならば、
自分主導で話を進められるようにしておいた方がよろしい。
外部に相談したりするのも不足している経験や知識を仕入れておく上では良いが、
そこに全てをゆだねてしまうと、後で大きく後悔することになる。
あらかじめ提示された妥当な結論をご自身でも希望されているのならば良いが、
あくまでも「こうしたい」という明確な希望があるのならば、やはりおすすめはしないな。
家庭問題は有利、不利では換算できない、当事者固有の価値観が介在する世界だ。
他人の決めた妥当性の範疇で結論を出す時点で、そもそも矛盾している。
その妥当性のレールから逃れるためには、脱却しかない。
脱却して、法的利益とは別の価値観をもって対応していくんだ。
そこまでやって、初めて本当の交渉という場面に話を持っていける。
逆に言うと、そこに到達していない段階では、
ルールに沿って話を進めているだけで、実質、交渉はしていないのと同義なわけ。
交渉は互いに弱味があるから交渉になるんだよ。
特に一般的に不利でしかない男の立場での離婚で、
相手方の弱味を顕現させて突いていくには、法的観点からでは不可能だ。
そこはやはり、自分自身でなければできないだろう。
離婚手続きは相手の弁護士や裁判所から弁護士をつけることを迫られる土壌もあるから、
レールからの脱却には、自分で出した結論にのみ従うという強い意志も必要になるな。
行政書士明和事務所
吉田 重信
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