自分の老いや死を想像できない親は子孫を滅ぼす

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この界隈での相談には配偶者との別居がつきもので、
出て行った配偶者が妻の場合、実家に戻ってしまうケースも少なくない。

 

一度出て行った家なのだから、そう簡単に戻れやしないだろうと思うのが普通だろう。

しかし、最近では実家の妻の両親が、
「戻ってきなさい!」と受け入れてしまっているのが現状だ。

 

離婚問題への相手方親族の参戦は、こういった部分が流動口となるケースが非常に多い。

親族自らが自分の意思で入ってくることもあるが、
居場所を提供したことによって巻き込まれる形でなし崩し的に介入する場合もある。

結局のところ、先日掲載した互いの実家との距離感に通ずる話でもあるね。

家と家との垣根ってのは、思っている以上に深いんだ。

 

本来であれば娘が戻ってきたいと言ったとしても、
「自分の問題なのだから自分で解決しなければダメだ」と突き放すのが親だろう。

ドライに聞こえるかもしれないが、
これは本人の将来を考える上でも妥当な判断だと言える。

 

 

だって、受け入れて、そこでのんびりさせて、

 

それでどうすんの???

 

 

順当に考えると、親は先に死ぬんだぜ?

 

だからそれまでに、自分の娘が自立できるようサポートするのが親じゃない。

死んだ後まで、面倒なんて見てやれないんだからさ。

 

子どもも自分達が面倒を見るからなどと言っている親も見かけるが、
個人的にはバカ言ってんじゃないよ、と思う。

 

幼子の面倒見るのって想像以上に体力使うし、ストレスだって溜まる。

後になって無理だと思ったとしても、途中放棄なんて許されない。

 

それに子の立場からしたら、どんなにジジイ、ババアが甘かろうが、
両親がそろっていた方が良いに決まっている。

そうではない極端な事例もあるだろうが、
実際はそんな特異点的な話でもなく、親族がしゃしゃり出ている事例ばかりだ。

 

だから、これは一緒くたに論ずるべきではない。

断じて。

 

そういう想像力をもって回避すべきシチュエーションを、
その場の感情論だけで自分本位に決断してしまうのは、やはり愚かしいことだと思う。

だから、「帰ってくることは許さない」と言われた方は、
突き放す形ではあるが、親からの愛情の証だと思っておいた方がよろしい。

本当に勝手にやってろみたいに思っていたら、普通は話すら聞かないから。

 

でも、そこまでの対応を取る親は極めて稀だ。

ウチでもまず聞いたことがない。

 

皆、「なんとかしてやりたいが手を出すわけにはいかない」という、
苦しい葛藤が見て取れる情景だ。

とても、親らしい葛藤だと思う。

 

 

繰り返しになり恐縮だが、順当に言って、親は先に死ぬ。

だから、そういった想像力が欠けている親は、
結果的には自分達の子孫を滅ぼす要因になってしまうだろう。

 

老いに対する想像力の無さって、やっぱり罪だと思う。

 

 

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