妙手があるという弁護士には注意せよ
最近、差別化が流行っているのかなんなのかは知らないが、
他とは違った手段で一発解決!みたいな表記や回答をする弁護士をよく見かける。
やはり新興の事務所だったり、若い弁護士が多いね。
今までになかった切り口を見せようとして、
理屈で説明がつかないような、かなり過激なことを言っている人も散見される。
でも、基本的に弁護士達の世界ではボーク投法的な行為は許されていないから、
妙手なんて界隈の性質上、そうそう期待できるものじゃないんだよな。
適正手続きありきで成り立っている業界なんだよ。
先例を重んじる司法の世界で、
身勝手な自論を吐いても独りよがりにしかならないだろう。
それに、法律業界の基本として、先例を考慮しない自説や私見は歓迎されない。
「新しい考え」なんていうのをおいそれと披露したりすることは、
単純な勉強不足として、業界内でもかなり辛辣な評価をされることになる。
元々、法律学自体が人が作り出した理屈に対する解釈学なわけだから、これは当然だよね。
自分の考えた新説なんかよりも、先人の打ち立てた説を学び、
その思考を読み取った上で説得力のある私見を述べることが評価される世界なんだ。
法律にしても何にしても、文系の世界に天才はいない。
どれだけ長い時間をかけて、文献や人の思考に触れてきたかなんだよ。
だから、経験も伴っていないのに、
奇抜な事ばかり言ったりやったりしている事務所には注意しないといけない。
そりゃあ、自説として言うだけだったら自由だろうけれど、
それをさも可能なことかのように提示して集客をするのは、やっぱりどうかと思うぞ。
司法の世界は、残酷なほど白黒はっきりと結果が出ちゃうんだからさ。
結局、そうやって無理くり引き受けた仕事は、
意地でも自説に合わせることになるから、強引な事件処理をしなきゃならなくなる。
それだと、事件を引っ掻き回しているだけにしかならないよね。
「最近の若手は無理スジを強引に引き受ける」と業界内からも苦言が出ているが、
その影響もあってか、近年では事実関係を軽んじているような弁護士の対応が目立つ。
事実を基にして理屈を考えるのではなく、
自分の提示したい理屈に合わせるために無理やり事実をでっちあげたりしている。
虚偽DVや子の連れ去りなんか、いい例だね。
こういうのに対しては、業界内ではもちろん、社会からも排除していかないとな。
だって、社会性のある活動とは言えないんだもん。
人に迷惑をかけて粗利を貪るような連中なんか、社会から排除されるのは当たり前じゃん。
また、こういうのに限って、隣接士業に対してやたらと高圧的だったり、
排他的な態度を取ってきたりするんだよな。
そういうところにおいても、経験と能力が不足している。
俺より開業年数も経験も浅いヤツになんか、
何士であろうが、上からとやかく言われる筋合いねぇよ、タコ。
あと、登録年数がやたら長いだけで、実務をやっていないヤツからもな。
肩書が経験や能力を持ってきてくれるわけじゃないんだ。
経験が浅いからダメ、というわけではないけれど、
駆け出しのうちはとにかく謙虚であり且つ、一生懸命、そして、正直でないとな。
そういうところを、よく見た方がよろしい。
いきなり打ち破れる王道は存在しないし、業務の性質上、丸勝ちはない世界でもあるから、
大見得を切っているようなところはやっぱり警戒すべきだよね。
行政書士明和事務所
吉田 重信
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