離婚交渉でのバーターとして使われがちな女の慰謝料請求権

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一昔前までは離婚には慰謝料という概念が常に付きまとっていたけれど、
世情が変わるにつれて、それはデフォルトとして存在しなくなってきているな。

 

いや、今でも苛烈な事例については相変わらずあるよ、そういうのは。

実際に酷い目に遭わされたのであれば、
それに対する補完としての慰謝料請求は、今後も権利として当然に認められるべきだろう。

ここで取り上げるのはそういった事例に対する話ではなくて、
離婚をする際に当たり前のように請求されてきた慰謝料の扱いが変わってきたということだ。

 

慰謝料についての考え方については、
離婚の原因を作った側、所謂、有責配偶者が支払うものとされている。

これは一般論においても、異論のない話だよね。

 

それに加えて、離婚自体慰謝料という概念も存在し、
これは、離婚という事実自体によって被る精神的苦痛を補完するための慰謝料という考え方だ。

一般的には馴染みの浅い話かもしれないけれど、過去の一般的な離婚案件においては、
そういった概念の下で離婚する際には当然に請求されていたわけだ。

主に、女性側からな。

 

「女だから慰謝料もらえるんでしょ?」という勘違い話は、
そういった背景が世情に影響を与えていた故に出てきたエピソードだろう。

 

ところが、近年ではそういった流れはなくなりつつある。

離婚時に女性側が慰謝料請求自体をあまり行わない傾向が増えてきたんだよね。

 

これは、それだけ殊勝な考え方をする女性が増えてきたなんて話じゃなく、
離婚案件の処理自体が変わってきた影響なんだよ。

要は世情の変化っつーよりも、離婚弁護士達の戦略が変化したという話だ。

 

昔からずっと続いていたことだが、今でも離婚案件を引き受けると、
DVやモラハラ被害をでっちあげて、強引に被害者の立場から離婚を論じようとする弁護士はいる。

その際、夫が有責配偶者だと言い張るのであれば、
当然、慰謝料は請求して然るべきなんだけれども、最近の案件ではそこまでいかない。

相手を有責配偶者というドツボにはめ込んだ上で、
今なら許してやるけれど、といった態度で離婚への合意を迫るやり方が増えてきた。

要は、今なら慰謝料は請求しないでやるから離婚に応じよ、という話の流れだね。

 

なぜ、こんな流れになってきたのかというと、
単純に離婚案件における女性側の扱いが厳しくなった、もとい正常化してきたからだ。

早い話、DV、モラハラの被害申告一辺倒の離婚請求では、
裁判で争っても離婚を認めてもらえる可能性が低くなってきたからなんだよね。

 

争って強引に離婚ができない案件で離婚を成立させるためには、
相手の合意を引き出すしかない。

 

合意さえ引き出せれば、理由を裁判所に認めてもらわなくても離婚はできる。

それが強引な手段で引き出した合意であったとしても、な。

 

そういった事情もあって合意を引き出す手段として、
敢えて慰謝料請求を行わないという手段が台頭してきたというわけだ。

 

だから、協議や調停の段階で夫が応じなかったりすると、
目に見えて焦ったような対応をする弁護士も目立つようになってきた。

結局、こういうのは無理スジの離婚案件を、
「ウチなら離婚できますよ」と強引に引き受けたりするからなんだよ。

これは完全に当事者ではなく、弁護士達の事情によって起こっている対応の変化だから、
家庭問題の主役は当事者、という元来的な観念からはかけ離れた事象だよね。

実に、くだらない且つ、何ら社会のためにもなっていない話だと思う。

 

なぜ、家庭内の問題に結論を出すのに、他人の利益を勘案しなければならないのか。

 

そういうスキームが存在している時点で、おかしいだろうが。

 

 

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