DV被害は女だけのものじゃない。なぜ暴力妻は発生するのか

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行政書士明和事務所

行政書士 吉田 重信

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家庭内暴力については、男女を問わずどこの家庭内でも起こり得る問題だろう。

世間でピックアップされがちなのが男⇒女への暴力だけなので、
DV被害は女のものかのように思いがちだけれど、これについては発生件数に大差はない。

ただ、どちらにおいても、手を上げる者とそうでない者は徹底して二極化しているようで、
これについての象限の違いは気になるところだよね。

 

基本的に男女を問わず手を上げる者は、
他人に手を上げることに対して罪悪感等の特別な感情は持ち合わせていない。

要は他人間での問題解決の手段に、
「暴力」があらかじめ入ってしまっているようなタイプだね。

だから、手が出る時は呼吸するかのように当たり前に手を出してくる。

逆に手を上げない者は暴力という手段を特別視しているタイプが多く、
それ故に、トラブルになったとしてもまず暴力以外の方法で対応しようとする傾向にある。

 

つまり、手を上げる者はなにか限界を迎えたから手を上げるわけではないし、
手を上げない者はストレスに対して人一倍我慢強いから手を上げないというわけではない。

 

もちろん、人は激怒する生き物でもあるから、
これはあくまでも一般論で、状況によっては突発的に手が出るようなケースもあるだろう。

それによって、これまで自分の中になかった問題解決の手段に、
「暴力」がスコンッと入ってくるようなケースだって当然、あり得る。

ただ、離婚なんかにおいては、タイプによって取るべき対応が変わってくるから、
二つの象限をあらかじめ差別化して捉えておく有用性は高いと思う。

 

最後に、手を上げることは悪いことなのかどうかについて論じておくが、
当然、暴力が肯定されることなど一切、ない。

ただ、手を上げていないから許されるのか、というのもこれまた別の話でね。

実際問題として多くの事例を見てきた立場としては、
暴力はそれ一時をもって問題とされるが、それ以外の行為については対応が甘すぎると思う。

要は暴力の無い事例は対外的に問題視されにくい故に、
かえって表立って弾圧されている暴力よりもタチの悪い事件が多いわけ。

子の連れ去りや不貞、資産隠しなんか、その典型だろう。

その上で被害をでっちあげて夫を加害者に仕立て上げ、
不倫相手と手を組んだりして責任を擦り付けてくるのだから、本当に始末が悪い。

手を上げないからといって貞淑というわけではなく、
見方によっては手を上げる以上に酷いことをしているというオチになっているのが現状だ。

 

だから、手を上げることは悪には違いないが、
手を上げていないから悪ではないという公式は成り立たない、というのが今回の締め言葉だね。

 

手を出さない加害行為もあり得る、ということだ。

 

 

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