全ての事業者が勉強しておくべき消費者契約法

承諾させたもん勝ちは通らない
押し売りならぬ、押し買いまで蔓延っているこのご時世。
これまでの取引関係を想定した民法だけでは、
海千山千の事業者達から消費者を守りきることはできない。
消費者契約法という特別法ができたのは、そういった背景からだね。
広範な表現の多い民法の規定と比較して、
ピンポイントな消費活動に焦点を当てているのがこの法律の特徴でもある。
消費者契約法が焦点を当てているのは消費活動におけるプロセスや内容であって、
対象の業種は特に限定していない。
それゆえにこの法律は全ての事業活動において関わる可能性があるから、
消費者だけでなく、なんらかの事業を行う人達は必ずおさえておくべき法律だろう。
今回、読んだ本は「逐条解説 消費者契約法」。
消費者契約法の条文を一条ずつ取り上げて、詳しく解説した本だね。
消費者庁から出版されている本だから、内容の信頼性は高いと思う。
改めて勉強して思ったが、これまで当たり前のようにやっていた自分の営業活動においても、
対象となり得るような規定が多いんだよね。
不実の告知や断定的言動は特に注意しなければならないポイントだ。
行政書士業務においても、関わってくる可能性は十二分にある。
消費者契約法における消費者保護の主軸は締結した契約の「取消し」にあるんだけれど、
これは逆に考えると一度成立した契約もこの法律によって取り消される可能性があるということ。
例にして話をすると、契約における重要事項に対して不実の告知をしたり、
事実上、断ることができない状況に追い込んだりした上でとった契約は取り消し得るものになる。
この辺は民法における詐欺や強迫による取消し、そして錯誤による無効に通ずるものがあるな。
この本ではそういう民法と比較した上での消費者契約法の役割と違いについても解説してあって、
特別法としての消費者契約法の役割を理解する上で非常に役に立った。
消費者契約法は制定されてからかなりの改正が行われている。
特に第四条に挙げられている行為類型は社会で起こった事件に追従するかのように、
頻繁に追記する形で改正されているな。
この辺は正に、イタチごっこだと言っていい。
ただ、これはここ最近の消費活動周りにおけるトラブルに関して、
それだけ政府も関心が高いという証でもあるから、頻繁な改正はむしろ歓迎すべきだろう。
消費者側も契約の趣旨や内容を理解するよう努力しないとな。
実は消費者契約法においても、この努力義務は消費者側に課せられているんだ。
消費は国民生活の根幹に関わる行為でもあるから、
この法律は絶対的に消費者を守ってくれるというわけでもない。
そんなことをしてしまったら、社会の経済活動が滞ってしまうからね。
だから、最終的には自助の努力も必要になる側面もある。
消費者の保護をしつつも事業者の円滑な経済活動をバックアップするのが、
この法律の趣旨であることは覚えておかなければならない。
それをこの本から改めて教わった気がするな。
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行政書士明和事務所
吉田 重信
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